ものづくりヤマガタ情報サイト 前田製管株式会社-プロフェッショナルへの道

前田製管株式会社(酒田市) 技術開発部 鎌田 健さん

前田製管は、1948年の設立以来、コンクリート製品の製造・販売ひと筋60年。 道路、橋梁、河川、水田……、暮らしのあらゆる場所で目にするコンクリート製品を通して地域社会の発展に貢献してきました。2007年からの新体制により、前田製管が製造する製品の販売並びにそれに付帯する工事は前田製品販売株式会社が担当することとなり、現在、鎌田さんは前田製品販売の技術開発部課長として酒田本社に勤務しています。

コンクリートの可能性を広げ、
地球の未来に貢献し、
自分自身も成長したい。
鎌田 健さん

 

入社の動機、きっかけは?

祖父が地元の秋田で土木建設業を営んでおり、母親はそこで事務をしていました。小さい頃から土木建設業という仕事を身近に感じ、祖父からも「大変だがとてもやりがいのある仕事だ」とよく聞かされていたのでごく自然に。それに、父親が技術者ということもあって自分も手に職をつけたいと考えていました。なぜ前田製管だったかというと、実家がとても田舎で、早く下水道や道路の整備をして欲しいなと感じていたころに、コンクリート製の下水道管を製造、販売している会社があると知って興味を覚えたんです。周囲の人もよく知っている会社でしたし、地方の下水道や道路の整備状況から見ても今後もまだまだ伸びていく会社だと考えて入社を希望しました。

SSボックス実験風景。ボックスカルバート(高速道路の下の通路)の安全性を確認するために行われた実物大載荷試験の様子。
SSボックス実験風景。ボックスカルバート(高速道路の下の通路)の安全性を確認するために行われた実物大載荷試験の様子
SSボックス実験風景。ボックスカルバート(高速道路の下の通路)の安全性を確認するために行われた実物大載荷試験の様子。

具体的な仕事内容を教えてください。

一般の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、当社はコンクリート製品を製造して工事を行う業者に販売する会社です。よく目にするところでは道路の縁石や側溝、田んぼの周囲にある水路、道路や住宅の土を押さえる壁、電柱とか。ほかにも橋やビルなどの建築物に使用する部材などがあります。地下では下水道管やマンホール、建物の基礎を支える杭、高速道路下の通路などの部材を扱っています。同業者も多く競争が激しいので、受注を確保するためにさまざまな新製品を開発していかなければなりません。そこで、私たち技術開発陣がユーザーのニーズに合わせて、より満足度の高い製品を安く売るための開発業務を行っています。私は、開発の他に、それらの商品の広報活動や広告展開にも携わっています。

 

鎌田さんが考案した低コストの側溝<新側溝KAMAドレーン>。断面が円形でゴミがたまりにくく、蓋を無くした一体型なのでガタツキ騒音もなし。
鎌田さんが考案した低コストの側溝<新側溝KAMAドレーン>。断面が円形でゴミがたまりにくく、蓋を無くした一体型なのでガタツキ騒音もなし。

アーチ型の防音蓋を使用した防音側溝<スーパーMXドレーン>。蓋を重ねた時も、すき間に手が入って持ちやすい。
アーチ型の防音蓋を使用した防音側溝<スーパーMXドレーン>。蓋を重ねた時も、すき間に手が入って持ちやすい。

この仕事の魅力、やりがいとは?

開発中の製品は実験を繰り返しますが、すんなりいくことはまずありません。机上ではうまくいくものが、その通りには行かない現実を突きつけられたときは愕然とします。でも、その問題を会社のチームワークで解決し、みんなの力で成功したときには何ものにも代えがたい喜びがあります。また、道路を通行していればコンクリート製品はどこでも目にすることができます。自分の開発した製品がそこにあって、しっかり役目を果たしているのを見ると感動しますね。いつ見ても何回見ても感動しますし、もっとがんばろうという気にもなります。

開発した製品の実験を行う鎌田さん(写真左)
開発した製品の実験を行う鎌田さん(写真左)

逆に、いちばん大変だと思うことは何ですか?

売れる製品を開発すること、これに尽きますね。売りやすい製品というのは、お客さまのニーズにかなうというだけではダメなんです。工場で作りやすいこと、運送業者が運びやすいことなど、コストや効率面も考え、もちろんその上でお客さまに喜んでもらえる使いやすい製品でなければなりません。漠然と売れる側溝を開発しろと言われたときには、本当に頭を抱えてしまいました。しばらくクルマ通勤を止めて、側溝の上を歩き、考えながら通勤したものです。

上司や先輩から影響を受けたエピソードがあれば……。

新製品の設計について上司に相談をする鎌田さん
新製品の設計について上司に相談をする鎌田さん

入社10年になりますが、つねに上司には恵まれ、忘れられないアドバイスが幾つもあります。特に印象に残っているのは、入社2年目で私がミスを犯してしまったときのこと。自分でミスに気づきながらも言い出せずに事態をより深刻にしてしまったのです。「間違いはだれにでもある。それを真摯に受け止めることで成長していくんだ」と怒られるどころか勇気づけてもらいました。また、営業所勤務の時に、「忘れるのであればとにかく紙に書け」と上司に言われ、今でもその教えを守ってしっかりメモをとる習慣が付きました。私の机の上にはその時から書きためている5年分のメモ帳が積んであります。折に触れ、この仕事のやりがいを熱く語ってくれる上司や先輩も多く、常々感謝しています。

仕事をする上で大事にしていることは何ですか。

開発業務という仕事柄、お客さまに製品の説明をする機会も多いのですが、そうした社外的にも、また社内でも、相手が話しかけやすい、質問しやすい雰囲気をつくるようにしています。相手が何を考え、自分に何を伝えたいのかを考え、相手が望む回答に近づけられるように努めています。

「一般の方にはわかりにくいですよね」と製品の特徴をイラストで説明してくれる鎌田さん
「一般の方にはわかりにくいですよね」と製品の特徴をイラストで説明してくれる鎌田さん

鎌田さんの今後の目標を教えてください。

今は、設計に携わっている部分が多いのですが、メーカーとして製造部門の知識や販売に関する知識も身に付けていきたいですね。開発業務では、売る方も買う方も、どちらからも喜ばれる製品開発ができればいいと思っています。そして、いつかは私が両親や諸先輩方を尊敬しているように、私自身も尊敬される存在になれたらいいですね。

 

前田製管本社前に架かる「酒田未来橋」。このコンクリート製品ももちろん前田製管製
前田製管本社前に架かる「酒田未来橋」。このコンクリート製品ももちろん前田製管製

 

質問の一つひとつに言葉を選びながら真剣に答えてくれた鎌田さん。仕事に対してもお客さまに対してもとても誠実な人といった印象でした。実家のある秋田の下水道や道路の整備状況を気づかう郷土愛の持ち主でもあります。「自分ががんばることで自身も成長し、会社も伸びてくれれば何よりの喜び」という言葉からは、最近ではあまり聞かれなくなった“愛社精神”が感じられました。

プロフィール

鎌田 健 (かまだけん)さん
昭和49年生まれ。
秋田県男鹿市出身。秋田大学鉱山学部資源素材工学科卒業。
1997年前田製管株式会社入社、1998年技術開発部、2001年秋田支店技術主任。2007年本社 技術開発部課長、現在に至る。

(2008/10/31取材)
前田製管株式会社前田製管株式会社
代表者:取締役社長 前田 直之
設立:1948年9月
従業員数:381名
事業内容:コンクリート製品の製造・販売所在地:山形県酒田市上本町6-7
TEL:0234-23-5115
FAX:0234-23-0093
URL:http://www.maeta.co.jp/_Maetaseikan/

小石、砂、水、セメント。地球が与えてくれる自然の素材を暮らしに役立つさまざまなセメント製品へ。このシンプルな地球資源に何かをプラスして地球に役立つものを創っていくことこそがマエタの仕事であり、使命。つねにコンクリート+αから何かを創り出している。