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株式会社シェルター(山形市) 建築事業部 デザインセンター 二級建築士 荒木春香さん

株式会社シェルターは、1974年創立の木造住宅メーカー。日本における接合金物構法のパイオニアとして「KESシステム」を開発し、住宅先進国であるアメリカやカナダでも特許を取得しています。そのデザインセンターという花形ポストで住宅の設計を担当しているのが荒木春香さん。中学生のころから建築家志願で、一途に目指した現在の職業。その仕事ぶりは男性陣にも決して引けはとりません。

建築家という夢をかなえ、お客様の夢のお手伝い。住まいづくりは幸せづくり。
荒木春香さん

 

入社の動機、きっかけは?

実家が内装業ということもあって建築業はとても身近な存在でした。幼い頃から父と一緒に現場にもよく出かけていたので、自然にものづくりや家づくりが好きになっていきました。中学2年生の時に建築家になることを決意し、目標に近づこうと県立山形工業高校の建築科に進んで、建築の基礎を学びました。先輩たちがシェルターに就職して活躍している様子を冊子などで見て知っていたので、まさにここが意中の企業だったという。


具体的な仕事内容を教えてください。

入社して5年間は修業期間。確認申請などの書類の作成や提出など、アシスタント的な仕事をしながら、2級建築士の取得を目指して、図面の書き方をはじめ様々な勉強をしました。資格は入社4年目で取得できて、それ以降は直接お客様の担当をさせてもらっています。シェルターは一顧客一担当制なので、住宅だけではなく、造園設計や建築監理、インテリア家具や照明の選定など、設計から完成までトータルに担当しています。お客様がどんな住まいを望んでいるのか、真意を引き出し、図面に反映させるため何度も打ち合わせを重ねます。プランができたら、現場との打ち合わせや監理、調整を行います。これも予算内、工期内で実現させるための重要な仕事です。これまでにおよそ10棟、10家族の夢のお手伝いをさせていただきました。

この仕事のどんなところにやりがいを感じますか。

荒木さんが設計した住宅。
荒木さんが設計した住宅。
荒木さんが設計した住宅。吹き抜けの高さを生かし、上部に抜けるような感覚を演出したリビングの連窓は青空と緑を望む明るいデザイン。主婦目線で工夫した水回りが特に喜ばれました(荒木談)。

スタッフとの打ち合わせ。
スタッフとの打ち合わせ。設計の意図を熱心に伝える荒木さん。右は、木村幸雄常務取締役。

住宅は、ご家族にとって大きな夢。その実現のお手伝いをさせていただくわけですから、こんなうれしいことはありません。特に、実際に出来上がった新居で暮らしはじめたご家族から「もっとこうすれば良かったという点が全くない。本当に毎日快適だ。」と言っていただいたときには本当にうれしかったですね。私も一人の主婦として日々生活していますから、どうしたらもっと効率的に家事ができるのだろうとか、こうだったらいいのにとか感じることがたくさんあるので、それらを設計に生かすようにしています。さすがに担当が4物件重なったときにはもう大忙しで頭の切り替えが大変でしたけど。それでも決して辛いとは思いませんでしたから、本当に仕事が好きなでしょうね。むしろ、うれしい悲鳴という感じだったと思います。

建築業界は男性社会といわれますが?

高校の建築科では40名クラスのうち、女子はわずか11名。その頃からもう建築業界は男社会という認識というか、覚悟はありました。確かに男性の多い職場ではありますが、最近ではずいぶん女性の進出が目立ってきているようです。シェルターでも約80名いる社員のうち10名が女性で、3名は事務職、7名は設計や構造計算などの専門職です。

職場では男も女もありません。同じ能力が求められるわけですから、それに見合った知識や技術、意欲を持ち合わせていればいいのです。あとは、男性の多い現場での経験を通して話術や人間性を身につけていくといったところでしょうか。それらを踏まえていれば、家づくりにおいて女性であることはむしろプラス要素。女性ならではの感性や目線でアイデアを存分に発揮すれば、今後、ますます活躍できる分野だと思います。


ずっと続けていける仕事ですか?

家族や周囲の理解と協力があれば、資格を生かしてずっと続けられる仕事だと思います。「建築士」といえば一見華やかそうな職業ですが、実はその陰には計り知れないほどの地道な作業があります。建築はこれでいいという終着点がない世界なので、つねにもっともっとが求められるのです。それだけに様々な人生経験が生きてくるマラソンのような息の長い職業といっていいでしょう。ずっと仕事を続けたいというしっかりとした職業観をもった女性におすすめの仕事だと思います。


仕事を離れたときのリフレッシュ法は?

主婦として家事をしているときにふと仕事のヒントが浮かんだりします。ある意味、家事が発想の転換につながるいい息抜きになっているのかもしれません。そういうことも考えずに、いろんなことから解放されたいときには、温泉や美容室に行くことにしています。まさに心身ともにリフレッシュできて次の仕事への意欲につながりますから。そんな時間的余裕がないときにはもっと手近なところでアロマポットの香りに癒やされています。


現在の目標は?

今年、一級建築士の資格試験を受ける予定ですが、それ自体が目的ということではなく、あくまでも自分の職域を広げるための手段です。一級建築士の資格を取得すれば、大きな建物の設計も担当できるようになり、仕事の幅はグンと広がりますから。一般住宅はもちろん、施設や学校も手掛けてみたいですね。そのためには、日頃の業務に加えて試験勉強もしなければいけません。時間を有効に使って資格を取得し、スキルアップしていきたいですね。

 

設計図をもとに作られた模型
設計図をもとに作られた模型

荒木さんは2004年に結婚。同業者である1級建築士のご主人の理解と協力もあって主婦と建築士としての仕事を両立させています。「女性であることに甘えることなくがんばっている。それでいて、女性ならではの細やかな提案で喜ばれたり、われわれ男性には真似できないことをやってくれる。」と、荒木さんを入社試験の時から知る上司の木村幸雄常務取締役。県内企業に勤務あるいは企業経営している女性たちが能力開発や交流促進、相互啓発を図るために組織している「いきいきWネットワーク」の幹事としても活躍中です。女性ならではの感性を生かした設計には定評があり、そうした経験を生かしての後輩指導にも力を発揮しています。

プロフィール

荒木 春香 (あらき はるか)さん
昭和55年3月27日生まれ。
天童市出身。
中学2年で志した建築家の道へと一直線。山形県立山形工業高等学校建築科を卒業。1998年株式会社シェルター入社、本社デザインセンターに配属。勤務しながら職業訓練校に通い、入社4年目に二級建築士の資格を取得。現在、一級建築士を目指して試験勉強中。

(2007/12/17取材)
株式会社シェルター 株式会社シェルター
代表者:代表取締役 木村一義
設立:1974年12月
従業員数:約80名
事業内容:100年住宅 大規模木骨建築 デザイン・設計・施工 
KESシステムフランチャイズ本部
所在地:山形県山形市松栄一丁目5-13
TEL:023-647-5000  
FAX:023-647-5050
URL:http://www.shelter-inc.net/

KESシステムは、従来の工法の優れたところを組み合わせたハイブリッド新木構法。本社社屋は木造三階建ビルで、グッドデザイン賞を受賞。木造の常識を超えた革新の構法として、住宅はもとより、全国各地の庁舎、学校、体育館、幼稚園、美術館、福祉施設などに採用され、高い評価を受けている。